エシカルデイコの輪
KAMIPEN
違いをたのしむ自然素材
限りがあるから愛おしい
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お話しを伺った方
ジャパン・プラス株式会社 第2営業部 林洋介
オーダーを受けてから調理するハンバーガーショップに勤務後、玩具やフィギュアを扱う企業の営業へ転職。その後、モノづくりらしいモノづくりをしたいと2008年にジャパン・プラスに入社。属性もニーズも多種多様な顧客とともにつくりあげていける、自由でクリエイティブなモノづくりに喜びを感じている。プライベートでも、DIYや料理、ソーイングなど、モノづくりに明け暮れている。
一つとして同じものはない
2000年代前半、当社の現会長がドイツで開催された機械の展示会に参加し、紙ペンをつくる機械に目が留まり、すぐに導入したことがKAMIPEN誕生のきっかけです。まだまだサステナビリティやエコなどの言葉が世の中に登場していない当時、発明家気質の会長はユニークなもの、クリエイティブなものを探していたのだと思います。
私が入社した2008年は4色しかなかったボディの色も、現在は11色にまで増えていますし、要望があればそれ以外の色にも対応しています。一度の注文における最低ロットも1000から300に減らすなど、より多くの企業や団体、個人の方々から選んでいただけるようにアップデートしてきました。一方で、KAMIPENのブランドイメージは崩さないように、形状は一度も変えたことがありません。
ぱっと見た印象ではどれも同じ形に見えますが、実は一つひとつ微妙に形が違うのが、KAMIPENの特長です。芯の部分は紙を平巻きで巻いた紙管ですが、真円ではありません。意図的にそうしているわけではなく、紙という自然由来の素材を使用している以上、どうしてもそうなるものなのです。季節や気温、湿度によっても、色の乗り方が微妙に変わることも、面白いところ。一つとして同じものは存在しないのです。
革製品のように、経年変化が味になるところも紙ならでは。よく手が触れている部分は変色したり、圧がかかり続けることでグリップの部分に凹みが生じたり……。変化していくさまを見届けられることが、モノへの愛着につながります。耐久性を高めて長く使えるように表面加工をすることも可能ですが、化学物質を使用することは私たちのコンセプトに沿いません。
それゆえ替芯の販売を希望される声もこれまでいただいてきたのですが、使い切りの商品としてご提案しています。限りがあるからこそ、モノへの愛着も深まるのではないでしょうか。
お客様と一緒にモノづくりを愉しむ
基本的にはシンプルさを売りにしており、それを好むお客様も多いKAMIPENですが、なかにはアレンジを加えてユニークな商品をつくられる方もいらっしゃいます。ペンの先の窪みに一本一本手作業でつくった造花を挿して販売しているアーティストさんや、キャップ部分に独自のマスコットを張り合わせる企業さんがその一例です。
ペンに使う紙を指定されるお客様もいて、以前、大手醤油メーカーから「醤油を作ったときのかすを混ぜた紙でつくってほしい」という依頼を受けてKAMIPENを製作したことがあります。最近では、大手コーヒーチェーンからの依頼で、牛乳パックの紙を再利用してKAMIPENをつくりました。お客様と一緒にモノづくりを愉しむことが私たちのスタンスです。
そういった自由度の高さを叶えるのが、設計から製造まで一貫しておこなう生産体制です。それはKAMIPENに限らず、当社の主力商品であるプラスチック製品でも変わらぬ私たちのDNA。基本的に協力会社には頼らず、自社でやれることはすべて自社でやり、魂の抜け落ちたモノづくりにならないように心を砕いています。
それゆえ原料にもこだわっており、KAMIPENではFSC®認証(世界に責任ある森林管理を広めるための森林認証制度)を取得しています。もちろんデザイン性や機能性といった商品の魅力ありきですが、エシカルなモノづくりを私たちは大切にしています。